「食す2:野菜を求めて」

 日本にいると、旅行中だろうと一人暮らしだろうと、食事に野菜(特に緑黄色野菜)を摂ることにあまり困らないように思う。コンビニにもスーパーにも、ちょっとした野菜料理、いわゆる「お惣菜」というやつが溢れているからである。一人分の小さなパックさえ探すのに困らないだろう。
 だが、ここヨーロッパではそうはいかない。なぜなら、1)日本のようなコンビニがない、2)持ち帰りできるような野菜料理(調理された野菜)がない、からである。
 スーパーの食材売り場などでは、たくさんの野菜が売っているし、決して野菜が手に入らないとか人々が野菜を食べない、ということはないと思うのだが、そこはやはり食品群に対する意識と文化の違いというものなのだろうか。レストランで食べる“きちんとした”食事でなく、軽く済ませる場合やテイクアウトをしたい場合など、旅先の安い外食で摂れる野菜は、せいぜいサンドイッチに入って来る葉っぱぐらいである*。有名な、ソーセージをパンで挟んで食べる場合など、野菜は皆無であるし、ベジタブル・ピザを食べて脂肪分より野菜を摂ったことに満足する(日本)人がどれほどいるだろうか。
 そのサンドイッチでさえパターンは大体限られていて、大概はバゲットという小型のフランスパンのようなパンかブロットという丸形のパンに、少々の葉っぱとタマネギとハムやらサラミやらが挟まれているものである。日本でも馴染み深い、食パンを三角に切って具材を挟んだサンドイッチももちろんあるが、バゲットやブロットタイプと比べると格段に少ないように思う。後者のタイプのサンドイッチを、イギリス留学中に享受・堪能していた私としては物足りない限りである。早い話が、飽きるわけだ。
 ドイツ旅行中に宿で出される朝食にも当然野菜などは出ない。昼に夕に、毎日のようにバゲットのサンドイッチばかりを食べている事実を重く受け止め、「違うものを食べよう!できるだけ野菜を!そして肉類を控えよう!」と歩き回った挙げ句、辿り着いたその日の夕食が魚(塩漬けニシン)のバゲットサンドであった時、私はこの先の食生活について充分に検討する必要がある、と思った…。


*「食す4」(未掲載)参照のこと



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