「洪水」の巻

 風の匂いや、午後4時でも明るくなった日の長さに、春の訪れを感じてはいたこの頃(3月20日現在)、何やら急に暖かい日が続いて、あっとゆー間に街中から雪は消え、雪解けの情緒を堪能しきる前に季節の交代終了。
 …と思っていたら、意外というか当然というか、急激な春の到来は「洪水警報」というカタチで季節の変わり目を実感させてくれた。雪解け水がエルベに流れ込んでいるのだ。

 旧市街と新市街がエルベ川を挟むこのドレスデンが、記録的な洪水に見舞われたのは2002年の夏。大雨の影響で川が氾濫し、街も広く水に浸かってしまったのだ。その時の写真が絵はがきになって売られていたりするあたりは、たくましい、というべきか。
 ともかく、白い冬を享受した後、大きな川を擁するこの街が雪解け水の影響を受けるのは、考えてみればなんら不思議なことではないかもしれない。

 ところで、2002年の洪水はドイツ語で「Hochwasser(ホーホ・ヴァッサー)」と呼ばれている。Hoch(ホーホ)は高い、Wasser(ヴァッサー)は水という意味である。今回の警報も「Hochwasser」ということで出ている。
 穏やかな晴天の春の日曜日を堪能〜♪という名目の下、物見遊山でエルベの川べりまで散歩に行ったところ、一見して判る程に水かさは増え、それどころか観光船の船着き場には水が溢れ、川沿いの道が一本途中から消えていた。その道路の水際には通行止めの柵に「Hochwasser」の標識が立てられている。「水かさ減っても欠航、多すぎても欠航とは船もメンドウね」などと呑気に思いながら、「洪水」と「冠水」はどう違うんだったかしら?と考えてみるのだった。日本語って難しい…。

 さて、差し迫った危険のない非常事態に人集(ひとだか)のは万国共通とみえて、新旧両市街を結ぶメインの橋と川沿いにはやたらと(カメラを持った)人がいて、名目と目的が私と同じであろう人々も少なくなさそうだった。ちなみに、州内の他の町ではもっときっちり洪水被害が出ているところもあるようだ。











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