2007.5.26 「エルミタージュ迷走」の巻

 すごーい!きれー!これが世界三大美術館の二つ目*かー!! …と、感動しながら入ったのも束の間。かつて女帝の冬宮だった館、エルミタージュ美術館に入って5分後には、私は一人置き去りにされた。連れて行ってくれた友人達は絵画や美術にあまりゼンゼン興味がなかったらしく、気を遣って「別行動してもいいよ?」と言ったらあっと言う間に出て行ってしまったのだ。ペテルブルクへは何度も来てるけどエルミタージュには入った事がない、って言ってたのに、ほんとに興味ないんだな…。私だって別に美術に詳しかないが、サンクトペテルブルクに来てエルミタージュを見ないなんて、観光客としてどうなの?!と思わないか?

 さて、見るものには絶対に事欠かないであろうこの広大なお屋敷の中で。……迷った。
それもそのはず、現在地も歩く方向も総計6棟からなる美術館の全体像も道順も、何ひとつわからないのだ。ああ、失敗した。私が置いてかれるのはいいから、行く前にフロアガイドも置いて行ってもらうんだった。絵の一つ一つは素晴らしい、部屋の一つ一つも豪華で素敵だ。だけど、結局のところ天井が高く広く大きく似た様な造りの部屋に、額に入った似た様な絵画が掛かり並ぶ部屋がひたすら続く巨大なマンション。もちろん部屋と部屋の繋ぎ口は一つではなく、階段も廊下も一本道ではない。地図も磁石も(!)なしの手ぶらで目的地/出口へ辿り着くのは至難。エルミタージュって本当に名(迷)宮だったんだ…。
 最初はのんきにぶらぶらしながら次へ次へと歩いていたが、やがて見覚えのある一角とその先方の景色に気づき、やはりこのままではよろしくない、と不安が募り、近くの訪問客に声をかけることにした。英語で会話する同年代の男性2人。一人は手にフロアガイドを持っている。現在地と私の行きたい次の方向を確認し、礼を言って別れ、ずんずん部屋を渡り、歩き、進み、三回程角を曲がって次の部屋に辿り着いた時、私は先ほどの男性2人に後ろから追いついていた…。私も驚いたが彼らも飛び上がる程驚いたのは、声の掛け方が悪かったせいだけではないはずだ…。
 結局、フロアガイドを見ながら道を教えてくれた彼らも、現在地と方向認識を誤っていた事が明らかになり、三人寄れば文殊の知恵、なんとか現状と館内全体像を把握して、再び礼を言って別れた。その後右へ左へ上へ下へとぐるぐる歩き回り、一通りの部屋を通って目を引いた物は見て来たが、本当に全館一回りしたかは神のみぞ知る。
 肝心の展示物については、気に入っている、又は興味のある作家の作品が纏まって見られたり、帝政ロシア時代や、ヨーロッパの一時代をテーマに収集したコーナーなどがあって、非常に面白かった。が、次回また行く機会に恵まれたならば、絶っっっっっっっっ対に!フロアガイドを手に入れてから歩き始めよう!!(…ってか歩き直したい!!)


*パリのルーブル美術館を去年(2006年)の2月に覗き済み。



エルミタージュ国立美術館




美術館と広場を挟んで向かい合う旧参謀本部と凱旋アーチ




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