2006.9.11-12 「カレリアへの郷愁」の巻

 森の中を走る電車でウトウトするのは、疲れよりもむしろ心地よさのせいだと思う。「森と湖の国」を堪能するのに長距離列車は最適だろう。大小の湖、樹林、その連続。そして時折視界に入るフィンランドの建物は、何故か北海道初期の建物を思い出させる。時計台とか札幌農学校とか、そんなイメージ。
 15年以上も前に読んだ漫画の台詞が旅の動機になることもあり得るもので、今日カレリアへ向かうきっかけとなったその一文はたしかこんな感じ;
『カレリアー帰りたかったわけじゃない。ただあなたたちに見せたかった』(篠原千絵「海の闇 月の影」より)
 “帰る事のできない”カレリアという所がどこで何なのか、当時調べた記憶はない。インターネットが今のように普及していたら、もっと気軽に即刻調べていただろうが。それでも何故か忘れることのなかったこの台詞のせいで、いつの頃かそれがロシアの西の国境辺りに存在し、政治的に難しい、占領/統治/分断された場所であるような知識だけなんとなく入っていた。だから、フィンランド旅行を決め、北カレリアという地方がその国内に存在するのを知った時、そこを訪れるのは必修課題となった。私の旅行は常に研修旅行だ。

 ここヨエンスーまで来ると明らかに日本人は目立つようだ。「なんでそんなところへ…」と現地人の友人の友人にまで言われた町には、確かに目立つ観光スポットは何もないが、ここは北カレリアの中心地で博物館「カレリクム」があり、友人もお勧めの名所・コリ国立公園までも近い。カレリアの歴史は思っていた以上に複雑で、(英語で)資料を読んで回るのはなかなか楽ではなかったが、カレリクムでの資料は面白く、大きくはなくても博物館自体の見甲斐もあった(←でも知識があんまり頭に残っていない)。

 ところで、フィンランド全土でも簡単に食べられるらしい“カレリア・パイ”。バリエーションはあるけれど、とっても柔らかく炊いたお米を中に詰めたもの(これがたぶんスタンダード)が非常に気に入って、何度も食べた。機会があったらお試しあれ。(例によって写真はナイ。)



ヨエンスーの正教会も夏の間しか開いてなくて残念(注:9月は夏ではない)。


白樺並木の南と北の端に正教会とルーテル教会が向かい合っていてちょっと素敵。




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