「Tschuess(チュース)日和」の巻

 晴れ渡る青空、萌える緑。春の陽気の中、また数人を見送る月末。さわやかな天気は、寂しさを増しても悲しさを呼ぶことはなく、笑顔で友を送り出すには絶好の「サヨナラ」日和である。

 さて、この「Tschuess(チュース)=じゃあね/またね」を言うにもタイミングというやつが必要で。
 例えばゲーテの場合はAbreisetag(アップライゼ・ターク=出立日)というのが決まっており、部屋と鍵の明け渡しをする日になっている。これは生徒一人ひとり朝から時間が割り当てられ、それぞれゲーテの担当者のチェックを受け保証金を(大抵は)返してもらう手続きなので、誰かを見送りたい場合には、事前にアップライゼの時間を確認し(前日には張り出しになる)部屋まで別れを告げに行くのが一番簡単な方法である。
 が、その日そのまま街を去る人ばかりではないのは当然で、その日の午後までいろいろ用を足したり、誰かに会っていたり、数日に渡ってまだどこかの宿に滞在していたりすると、街の中やらゲーテの校舎内やら、はたまた数時間前にチェックアウト(?)したばかりのアパート内で速攻再会したりするわけだ。
 これを踏まえて。
 今月末日でドレスデンを去るZivi(ツィヴィ)の青年(「合い言葉は“マルテ”?」の巻 参照)に別れを告げるべく、様子を伺った。コース最終日には、もちろん翌日ゲーテで会えることがわかっていた。最終授業日の翌日がアップライゼで彼は忙しく仕事があるし、私はネットを使いに日参しているからだ。そしてアップライゼの当日、翌日もまたゲーテに来る、という。じゃあまた明日。そして最終金曜日…。
 006番事務室で、あまり言葉のうまくない私は、気の利いたことも言えなかったのだが、まあ既にメールアドレスもくれているし、メールするよ、ありがとね、またね、と言って別れた。

 …その日その後、2度、アパート内で、会った…。




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